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中井 そんな母だからでしょうか、大人になったらそれまでしてもらった分を返していかなければならないと思っていました。父がいないのに大学まで行かせてもらったのだから…と。在学中に仕事することになりましたが、それも返していくためという気持ちが強かったです。今でもどれほど返せたのか、わかりませんけど。
中井 そんな大袈裟なことはありませんが、札幌で2人の子どもを産んだ時に東京から手伝いに来てくれた母が、産後の肥立ちがすむと言われる21日目で帰ってしまったことは今でもよく思い出します。赤ん坊を育てる手は2本では足りなくて、4本あったほうがいいに決まってます。きっかり21日で帰ってしまった時にはなんて非情な…と思いましたけど、なければないで仕方なく2本でやるようになる。それが母の子育てなんですね。私自身も、娘の出産の時にはそうしようと思っています(笑)。
中井 主人と2人での子育てです。うちは娘2人とも立ち会い出産なんです。子どもが生まれてくる瞬間って、妊婦は見ることができませんよね。だから父親にと思って。それに、2本の手ではやはり足りませんから、主人の手を借りることになります。それと、ご近所の方たちの手助けです。もともと外に出るのが好きな質なので、近所の子ども好きの奥さまとも仲良くなって、助けてもらいました。子どもの水泳教室やヤマハ音楽教室で知り合ったお母さま方とも協力し合って。そうなんです、娘は2歳からヤマハ音楽教室に入りました(笑)。
中井 子育てにはマニュアルがあるわけじゃないし、子どもって親の思う通りには決してならないじゃないですか。親がどこまでしつけられるのかもわからないし、いつも親の思惑を外されてばかり。結局、子育てした証はその子ども本人ですよね。いろいろと経験を重ねて、そんなふうにゆるやかに考えるようになりました。