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中井 別に音大へ行くというほどのことではないんですが、長女はピアノとフルートを、次女がピアノとチェロを弾いています。姉妹でアンサンブルをしたり、主人もフルートを吹くので楽しんでます。私自身が小学校5年生で嫌になってピアノをやめてしまったので、どうせ子どもたちも長続きしないと思っていました。でも好きでよく弾くんですよ。それで、中学になっても続けていたら小さいけれど一応グランドピアノが買えるようにと、グランドピアノ貯金をしていました。結局は中学になっても続けたので買うことになって、居間のまん中に置いてあります。「ピアノのフタはいつでも開けておいたほうがいいよ」という話を耳にして、その通り、うちのピアノはいつでもすぐに弾ける状態になっています。ただ、なにせ居間のまん中を占領しているので、焼肉をしたりお鍋をしてしまうと、油とかがはねてピアノにはよくないみたいで、調律の方に叱られました(笑)。
中井 娘を早く寝かしつけて自分も休みたいという動機からはじめたんですが、「つりばしゆらゆら」という絵本に出会って、子どもといっしょに私も涙を流し、心から感動しました。こんなに素敵な絵本があることを、みんなに知ってほしいとも思いました。そんな気持ちを身近な友人に話していくうちに、思いもよらずいろいろな個性豊なアイディアが出て、カタチになって…。絵本の朗読、それに合わせた音楽の演奏、大型の仕掛け絵本という基本のスタイルが出来上がりました。そこから読みきかせの会がはじまりました。
中井 私たちは、いわゆる公演料をまったくいただいていません。ただ募金箱を用意して、有志の方々に募金をお願いしています。それは制作費などの運営費に使わせていただき、余裕ができれば寄付させてもらっています。朗読をしている私もそうですが、ピアノを弾いてる人も絵を描いてる人もふつうの主婦です。それぞれの個性が集まって、また家族の協力もあって結集しているという自負はあります。
中井 これだけ続けてこられたのは、「母親だから」「主婦だから」ではなく、1人1人がそれだけの能力を持っているということだと思うんです。最初は口コミで少しずつでしたけど、今は待っていてくださる人たちがあちらこちらにいる。そのために頑張らなければならないと思う一方で、自分たちの生活を壊してまで続けようとは思っていないんです。ボランティアでやることの難しさにも向き合いながら、公演に来てくださる方々の感動や協力してくださる方々の厚意に支えられてもいます。10年目の構想があるので、それまでは続けますよ(笑)。楽しみにしていてくださいね。
中井 貴惠
Kie Nakai
プロフィール
松竹映画の往年の2枚目俳優、故・佐田啓二さんの長女。弟は俳優の中井貴一さん。早稲田大学在学中に市川崑監督「女王蜂」のヒロインに起用されて映画デビュー。以後、映画、TVドラマにも多数出演。83年、日本アカデミー賞助演女優賞受賞。87年に結婚し、アメリカ・ニューハンプシャー州ハノーバーに住む。89年に帰国し、札幌にて2人の娘をもうける。98年に仲間3人とボランティア・グループ「大人と子供のための読みきかせの会」をはじめ、幼稚園、小学校、小児病棟のある病院などで公演を行い、大きな反響を呼ぶ。絵本の翻訳も多く、エッセイストとしても「父の贈り物」「娘から娘へ」「大人と子供のための読みきかせの会『5年間の物語』」など多数の著書がある。
大人と子供のための読みきかせの会ホームページ http://www.konsuke.jp/
<Information>
★音語り 朗読とジャズ・ピアノのセッション★
「あらしのよるにT/出逢い編」 作/きむらゆういち 絵/あべ弘士
あらしのよるにシリーズ(講談社)「あらしのよるに」「あるはれたひに」より
朗読/中井貴惠 ピアノ/松本峰明
WEB SHOP http://brush-picks.shop-pro.jp/